vol.8「暮らしについての談話会 〜みなさんの家族アルバムとともに〜」

プロジェクトのためのリサーチ・プロジェクト:まずは、聴いてみないと ku・ra・shi

自分や親しい人の家族アルバムを見る機会はあっても、全くの他人の家族アルバムを見る機会はなかなかない。
その時代性やセルフヒストリーを捉え、その差異や共感を発見することができた。


[あべのま]は今、1周年記念展覧会「祖父と祖母と父と母と姉と妹といつものこと」、通称・寺田家展の会期中。寺田家の関する品々や作品が溢れるかえるほど展示され、カオスっぽくなっている。そんな会場で寺田家の皆さんにも参加いただき、それぞれの家族アルバムを持ち寄り、集まってみた。すると寺田家の親戚の方が、わざわざ東京からお越し下さった。どうやら親戚づきあいが盛んなようで、じぶんの家族とは大違い。
写真は写真なりにレンズ前の出来事を記録しているが、人間も人間なりに目の前の出来事を記憶できる。それらは時とともに色褪せ・書き換えられることもあるが、写真の変わり方は、まるで時間をまとったようで神秘的なもの。一方、代わって人間の記憶の変わり方とは。
アルバムの写真をみてると当時の思い出話になるのだが、親子の間でその内容に食い違いがあり、ちょっとした言い合いに。その口ぶりは美談にも恨み節にも聞こえ、なんとも微笑ましいが、当人にさえもわかり得ない機微のようなものがあるんだろう。もしかしたらその繰り返しが、いわゆる「家族」なのかもしれない。

リピーター(repeater)とは、何かを繰り返す人や物のことである。*Wikipediaより

宮本博史(アーティスト)