vol.04「立ち飲み処 オヤジの小言 〜どうぞ、ちゃぶ台返しを〜」

プロジェクトのためのリサーチ・プロジェクト:まずは、聴いてみないと ku・ra・shi

vol.03 「おふくろの味」の企画と対峙して、オヤジを対象とする。
オヤジの「小言」から、社会を知る。


じぶんの祖父はとても酒飲みで、アルコール依存症だったと思う。たまに警察から電話があり、酔った祖父を阿倍野警察署まで迎えにいっていた父。酔った祖父はそこで、若手の警察官に説教していたそう。ちなみにじぶんは、そのとき小学生。祖父はなにを考えながら、そんなに深酒していたのだろう。男はついらいよ、なんだろうか。
イベント当日は、そんな祖父を彷彿とさせるおじさん・オヤジがご来店。まずは、ハイボール。趣味でされてることが雑誌やwebで紹介されたようで、それらをみせてもらいながら説明いただく。そのことで日々、楽しんでおられる様子。おかわり、ハイボール。昔話もいくつかお聞きし、挫折したときのこと、そんなけっこうなことについても、楽しそうに話してくれる。じぶんは、そうなりたくないと思う。酒がすすむにつれ、同じ話が繰り返されるようになってきた。
なかでも最後に帰られるとき、お金をお持ちでないようで、自宅へ取りにいくことに。その後しばらく待っていたが、帰って来なかった。しかし数日後、現金書留にて送って下さった、手紙入りで。阿倍野警察署の若手警察官が祖父の説教を受け入れていた(?)ように、じぶんもそれなりに寛容になれればと思う。

寛容(かんよう、英: toleration)とは自分と異なる意見・宗教を持っていたり、異なる民族の人々に対して一定の理解を示し、許容する態度である。*Wikipediaより

宮本博史(アーティスト)