vol.02「あなたの写真やあなたのネガフィルム」

プロジェクトのためのリサーチ・プロジェクト:まずは、聴いてみないと ku・ra・shi

今やほぼ使われることのなくなったネガフィルムを持参いただき、あべのまの引き伸ばし機で写真をプリントする。
あらためて、写真から当時の記憶を振り返る。
また、昔の写真を持参いただき話を聞くことで、あべのま近辺の歴史を知るきっかけとなった。


[あべのま]にはモノクロ写真用の引き伸ばし機があり、それを使ってなにかできないかとなった。じゃあやってみることに、まちの写真屋さんみたいなものをイメージした。そんな理由でやってみるのも、いいんじゃないかと。
そこにおとなりの川端さんのご主人が、この近所が写っている昔の写真・家族アルバム等を持参くださった。そのアルバムをみながらいろいろとお話しを伺う、写真をみながらだとテンポがいい。どうやらこの家屋では代書屋がなされていて、その店先がちょびっと写った写真をみつけた。今は[あべのハルカス]が建つ、あの交差点の風景も。路面電車は、今も現役で残っている。
なかでも、川端家の昔話。ご主人の故・お父さんは美術木彫刻師をされていたようで、岸和田だんじり祭の神輿や国会議事堂の内装等を手がけられた。さらに使っていた道具・彫刻刀が残っており、次の機会に拝見させてもらうことに。じぶんの知人に木彫家がいるので、その方を連れて川端家の記憶にまた触れたいと思う。そしてそうこうしているうちに、なにかがはじまることを夢想している。

記憶(きおく)とは、ものごとを忘れずに覚えていること。また覚えておくこと。過去の経験の内容を保持し、後でそれを思い出すこと。将来に必要な情報をその時まで保持すること。生物に過去の影響が何らかの形で残ること。必要な情報を保持しておくこと。*Wikipediaより

宮本博史(アーティスト)